2008年08月23日

漕ぎ について

漕ぎ について私などが「漕ぎ」 について講釈を述べようなどと大それた事をいうつもりはない。
このブログを通じて、できればいろいろな人の意見を述べる場にしてもらい、少しでも知識を深めようという魂胆だ。
きっかけは北海道にクラブを持つアスクというカヤッククラブのブログだ。 カヤックについて、いろいろ述べていて私は密かに
楽しみにしている。その中で最近ストロークについて述べている。このブログで今意見交換している。
 私は今だにサバニの漕ぎは立て漕ぎ とまではいかないまでも舟の舷側側を漕ぐ方を指示している。 (アウトリガーカヌー
の漕ぎ方とほぼ同じ) 私がこの漕ぎに多少拘るのはサバニに乗る人の中にシーカヤックの経験者が乗る。すると明らかに漕ぎに違いが現れる。 見るからに効率的な漕ぎに見えないのである。その漕ぎにどういうメリットが隠されているのか?それを知りたいと思っている。 このブログだけのやりとりで、その答えは出るほど単純ではないかも知れないが、そのヒントがつかめるかも知れない。 という訳なので独断と偏見大歓迎で御意見を下さい。
(写真提供 村山嘉昭氏)



Posted by モリ at 14:10│Comments(11)
この記事へのコメント
 議論が白熱してきたところで、言いだしっぺから一言。
そもそもあの一文を書いたのは、北島優勝が引き金でしたが、実は、7月のサバニ旅のことが少し頭にありました。私の参加したところでは、久米~粟国、40キロ・9時間漕ぎが最長でしたが、そのとき、やはり、ピッチが速いとどうしても自分としては雑な漕ぎになってしまうなあという実感でした。私のパワー不足を割り引いても、周囲もややその傾向があるように見受けました。「効率的な漕ぎ方」というものは、フラットウォーターでのスピードレースと外洋を長距離航海するときではおのずと違うはずで、しかも多人数ではパワーやスタミナがそれぞれ異なり、また場所による違いもあるでしょう。そこで、1日トータルの結果としての「効率的な漕ぎ方」を考えるべきという感じがしました。その意味ではそのクルーでの適切なピッチという発想が必要のように思いましたがどうでしよう?
 で、外側を漕ぐという点については、一般論としては安定化に寄与すると思いますが、特にあすく号のような大きなサバニの場合にはその効果は限定的ないしはあまりないように感じます。ただ少しパワーを逃がしながらゆるいピッチでスタミナ温存で漕ぐという意味はあるかも知れません。が、これはシーカヤック的発想かな?安定化の効果は1~2人乗り程度の小さなサバニでは、一定の効果はあるように思いますが、どうでしょうね。昔の海人はやはり取り回し重視でやや短めのパドルで、たて漕ぎが主だったのでしょうか?
 まあ、いずれにしても、サバニ漕ぎはまだまだという感じなので、今度行ったときにまたいろいろ教えてください。オヤカタマンも是非一緒に!いくらサバニはレスポンスがよいといっても、カヤックとはまったく異なる漕ぎ味なので。
 
 
Posted by あすく at 2008年08月23日 20:10
モリさんのご意見、自分もその通りと思います。荒れた海ではより舷側側を漕ぐと空振りはなくなりバランスを崩さずにすみます。ASKC流のシーカヤッキングではパドリング時に、遠目を緩やかな体重移動させ弱ローリングして漕ぎますので空振りは沈の要因になります。シーカヤックは船体幅が60㎝弱しかなく、静水時でもフラフラする乗り物です。したがって本来推進力であるパドリングをアウトリガー的役割を持たせ、より遠くを漕ぎ安定度を持たせるようにします。意図的に弱ローリングさせことはリラックスしながら漕ぐことと急な傾きに対応やパニックに陥らない意図があります。(復元力の高いサバニではそれが有効かどうか疑問が想像できます。)
しかしフィールドの急変では対応力が必要で、常に遠目を漕ぐとは限りません。荒れた海では空振りを防ぎスピードを得るために、より舷側側を漕ぎますし、横から来る大きなうねりや波にはパドルを突き刺しつっかえ棒?にもします。海では絶えず周囲を見渡し、次に来る波を予測しながら心の準備(パドリングの対応)をすることが
Posted by オヤカタマン at 2008年08月23日 20:34
大事だと思います。最後に遠めを漕ぐということはパワーの伝達という意味では効率的にはよくありません。しかし安定の悪いシーカヤックでは効率でまかえない安定という安心感をもたらせてくれます。海で遊ぶ我々はそこを第一にしています。
サバニにいまだ乗れずにいますのでどおししても想像的になってしまいます。そしてモリさんとのやり取りでシーカヤックとサバニの違いもおぼろげながら解ってきました。
Posted by オヤカタマン at 2008年08月23日 20:47
ピッチを合わせる。と言うのは大事な要素だと私も思います。サバニの場合座る位置によって水面との高さが異なり前に座る人は高い事から、どうしても早いピッチになりがちです。ピッチは前の人に合わせるから全体としてどうしてもハイピッチになりがちで全体が見渡せるスキッパーの指示とリズムを身につけた人が前に座る事が大事でしょう。私を筆頭に今はまだこのレベルに達していない。と言うのが実感です。
またどのような分野にでも当てはまる事かも知れませんが、その舟(物)のポテンシャルを語るのはナンセンスなのかも知れません。乗り手のレベルによって高くもなれば使い物にならないものにもなるだろうからです。大事な事は「スキルを上げる」 事に集約されると思います。
「パドルが船体幅を補っている。」 この言葉に表れているように私には全く想像すらしていなかった事です。 私はシーカヤックの経験は全く無く、サバニすら、ここ数年のキャリアしか持ち合わせていません。7~8年前は帆で走っていた事すら知らずにいました。
ここにはそんなキャリアにも関わらず偉そうな(そのつもりはありませんが、)事を勝手に書いています。 異なる意見は大歓迎です。
あすくさんやオヤカタマンさんの言葉はそんな私の格好な教科書のような存在です。これからも何に遠慮することなく御指導をよろしくお願い致します。 
Posted by モリ at 2008年08月25日 12:30
大変、勉強になります。
色んな考え方があって楽しいですね。
何でも良いと言う事なので、是非、僕もその議論に参加させてください。

僕もサバニの場合は、森さんのおっしゃるように舷側を漕ぐのがベストだと思います。

アウトリガーカヌーのOC1などは、前方から見てパドルが斜めに入る傾向にありますが、それはカヌーのバランスを保つ為に回転軸の論理で身体の中心を固定しているからです。しかし、サバニのような安定性の高い舟であれば、縦漕ぎの方がよりパワーを伝え易いと言う意味でベストかなっと思います。

更に、僕らの場合は、長距離レースの場合、如何に体力をセーブしてパワフルに漕げるかをテーマに練習しています(当り前ですが・・・)。

しかし、ここで言うセーブとは、推進力を生み出さない「手漕ぎ」と言う意味ではなく、体全体を使った「効率的な漕ぎ」を意味しており、これができるようになれば比較的力強いパワーでも長時間漕げる様になると思います。

例えば、10の力で漕いでいた場合、10の力を一部の筋肉だけに頼っていたら、直ぐに疲弊してしまいます。こうなってしまうと、推進力どころか重り、またはエークが抵抗にしかなりません。

効率的な漕ぎとはその10の力を色んな筋肉に分散させて漕ぐと言う事で、広背筋などの疲れにくい大きな筋肉をメインに、三頭筋・三角筋・胸筋・腹斜筋・僧房筋などを省エネ稼働させると言う事です。それらに足(身体を起こす時の踏ん張り)や身体の捻りなども使うとよりその力が分散されるため、疲れにくくなるのは理論的にも明らかです。

そして、長距離の場合は特に、力を抜く時間(リラックスして休む)が漕ぎの一連の動作の中に含まれている必要があります。そのタイミングはエークを海面から抜き出してキャッチするまでの空中間で、ここでどの位リラックスできるかが、その後のパフォーマンスにかなり影響すると言う持論です。

その空中にエークが浮いている時は、できるだけリラックスした状態で、前に倒れ込む重力(体重)を利用して水をキャッチする。これがパワーを失わない、究極のエコ漕ぎといえるのではないでしょうか。

体重を乗せると言うのは地球の重力を利用すると言う事なので、その自然の力を利用しない手はありません。そして、推進力が一番生まれる所が、このキャッチの部分!!ここで全体重をエークに乗せることができれば、体力を温存しながらそれ相当のパワーを推進力に替えることができます。

慣れない内や安定性の低いサバニでは、体重を掛けると艇が傾き、ローリングの原因になる事もありますが、体重をうまくエークに乗せる事ができ、左右対象で同じように漕げるようになれば、漕ぎ手側の微調整だけでローリングを防ぐ事も出きるようになります。

そして、サバニの前(又は後)から見て、エークが水面から直角に近ければ近いほど、横から見て、エークが45度に近ければ近いほど、体重がエークに乗りやすいと思う。っと言うのが僕の考えです。

このように、効率的なエコ漕法をマスターさえすれば、漕ぎながらでも疲れた筋肉を休ませる事ができ、楽しいひと時を過ごす事ができると言う訳です(笑)。

まー、一朝一夕でいかないのがパドルの難しさであり、楽しさでもあると思いますが、これからもお互いに研究と練習に励んでいきましょう。
Posted by Okinawa Harlee Network at 2008年08月26日 07:33
素晴らしい!! 内容はあと00回ぐらい読んで理解するとして、こうしたコメントをお待ちしていました。この数年レースや旅で漕ぐことが多くなり、私の場合 現場で、体で理解するという状態ですが、単純に漕ぐ事ばかりに専念していると、自ずと形が決まってくるような気がします。効率的な漕ぎはそれに費やした時間お分だけ体が教えてくれる。というのが私の持論です。数年レースに参加しているスタッフはたとえ1年振りでも型は決まっているし9時間の漕ぎだろうが今年最長で13時間の漕ぎでも続けられた。不思議といつまでも漕ぎ続けられるのではないかとランナーズハイのような状態となります。
細かな漕ぎの指導するより「徹底的漕ぐ」事によって効率的な漕ぎが知らず知らずの内に身につくような気がしますが、如何でしょうか? 
Posted by モリ at 2008年08月26日 15:58
もしかして G サンですか? あなた達の漕ぎは同じステージで話をするには、私のキャリアはあまりにも浅すぎて、、これからもこの手の書き込み期待しています。

そろそろサバニレースですね。(南城市)準備万端ですか?私達は条件がゆるせば、やんばるから会場に向けて漕いで行く予定です。恐らく南西の風(ド向かい風)でしょうがお手柔らかに吹いてくれることを祈るばかりです。帰りは追い風を期待して、、、よってレースが終わったら午後の体験乗船と表彰式は残っているクルーにお願いすることになります。会場で会いましょう。 楽しみにしています。
Posted by モリ at 2008年08月26日 19:14
ヤンバルから会場に行く・・・?!

海千山千の森さんにしかできない発想ですね・・・(笑)。

いつも海想のブログを見ては、自分もバーチャルサバニ旅をエンジョイしています。

残念ながら、自分はその頃は地球の裏側を旅していて、レースには参加できません。

地球の裏側からサバニに思いを寄せて、毎日ブログをチェックしてますので、ご報告宜しくお願いします。
Posted by Okinawa Harlee Network at 2008年08月27日 13:11
答えになるか不安ですが、少し長くなりますので数回に分けて質問にお答えしたいと思います。現在一般に使われているパドルの原型は、ヨーロッパで人気のあった、りバーカヤックに使われていた物でアリュートやイヌイットのそれではありません。したがってシャフトの太さや材質、ブレードの形など、パドル本来の性能を引き出すために改良されています。カヤックのパドルはご存知のように一本の棒の先端に左右均等に水かき面を装着しています。それが水を掴む推進装置になるわけでパドルの命です。それを生かすめ、テコの応用を使わず、人力のみの両手で右、左と漕ぐとシャフトの握りが非常に重要で太すぎても細すぎてもパドリング効率に影響します。一般的にブレード面積が大きいとより強度が必要になりシャフト径も太くなり、ブレード面積が小さいと細くなりますが、握りやすさが効率的に重要でその結果、現在のシャフトの太さになっています。エイのオールはカヤックのパドルとは比較にならないほど太く、長く重い。「漕ぐ」という最大限の力を伝達するため支点の活用というテコの原理を利用し、強度や効率の良い力の伝達という意味でシャフトの太さ、オールの長さ、ブレード面等が決められています。テコの活用はいわばターボもようなもでパワー的にカヤックのパドリングとは比較になりません。(次回ブレード形状)
Posted by オヤカタマン at 2008年09月30日 21:35
その2
エイトのターボパワーもカヤックのノンターボもそのパワーを使うところは最終的には推進装置でもある水かきブレードになり、したがってブレードのデザインや性能は非常にに大切になります。シーカヤックにおけるパドルブレードのデザインは20年ほど前から真剣に考えられるようになり現在に至っています。ご指摘のエイトのオールブレードのデザインも同じ経過をたどっていて、自分が若者の頃はオリンピック金メダルチームでさえ左右均等のデザインでした。左右均等型ブレードの利点は非力な人でもブレード面で左右均等に力が分散されるため正確に水を掴むことが出来ます。また力のある人なら少々ラフにゴリゴリ漕ぐことも出来ます。20年ほど前ならこのままでよかったのですが、道具は常に進化するもので、効率を考えると改良の余地が見えてきます。「ブレードは水を掴むもの」その一点を考えると入水時に水上に出ている部分は無駄になります。エイトの技術担当者はハイポジションのレーシングカヤックならまだしも最もローポジションで漕ぐエイトでは左右対称ブレードを使うと四分の一は水面から出てしまい効率が悪くなり改良が必要とれました。シーカヤックでも当初ロングディスタンスが目的とされたため、ローポジションが主流でパドルもリバーカヤックと分けて考えるようになり現在のデザインの原型が生まれました。(次回エイト、シーカヤックのブレードデザインの違い)
Posted by オヤカタマン at 2008年10月01日 19:36
その3
以上の理由からエイトのオールブレードは余分な上部を切り詰め水を掴む下部に主たるブレードを設け現在の左右非対称デザインになりました。シーカヤックのパドルブレードも同様な理由から左右非対称デザインに進化したわけですが、ご指摘の通りエイトのそれとはかなりデザインが違います。それはシーカヤックでは支点の活用というターボを使わないことと大きな関係があり、つまりパドルを操作するのは100%非力な人力で、パドル操作するパワーにも限りがあるということです。非力な力のパドリングは左右対称ブレードが最も効率が良く、左右どちらか片方にトルクがかかるとシャフトがトルクを逃がそうとして回転してしまいそれを抑えるのは非力な握力のみになります。その様な理由でシーカヤックではでエイト型のブレードは使えません。(エイトは支点というターボを活用することにより偏ったトルクの力を受け止めることが出来ます。)そこでシャフトをセンターラインに左右のブレード面積をほぼ同じにした非対称型ブレードが開発されました。大事なのは偏ったトルクによりシャフトが回転しないということで、そのために左右のブレード面積を同じにする必要があるのです。以上な事でエイトのブレードとシーカヤックパドルのブレードは同じ非対称型でも違いがあるのです。ついでにブレードの開発は艇速のアップが主な目的で、ブレード面積を大きくする事により解決されますが、それは人のエネルギー消耗度のバランスの戦いでブレード面積をタダ大きくすればよいということにはなりません。そこに数ある非対称型ブレードのなかから自分にあったものを選択し使う面白さがあると思います。
質問の答えになったのか少し不安ですが何かの参考にしていただければ幸いと思っています。長々と書き込み本当に失礼しました。
Posted by オヤカタマン at 2008年10月02日 18:58
 
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